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【田舎暮らし始めました♪】vol.18 「K様」
  

(左)  京都府から新潟県上越市板倉区へ移住してきたK様。
50代で自給自足生活を目指している。
いつかは電気や水道などのインフラも自給自足したい!


(右)  自然農の田畑。一見、草だらけの田畑もよく見れば
それぞれの苗がきちんと育っている。
田んぼも2ヶ所あり、それぞれ食べ比べも楽しみ。

田舎暮らしを考え始めたきっかけは、なんでしたか?

 

 昭和50年出版された有吉佐和子著「複合汚染」を読んで食の安全について考えるようになりました。その後、自然農の提唱者である福岡正信さん、食養を説く若杉友子さんに共感し、安全と言い切れる自給自足がしたいと思いました。そのように考えるようになった頃はまだ40代で生活を考えると実行できずにいました。

 その後、個人タクシーを営むようになり空いた時間を活用して全国で物件を探すようになりました。最終的に長野県の物件と迷ったのですが、寺野の自然と暮らそうサポートセンターを紹介していただき、実際に移住してきた方のお話を聞いたり、まずは主食である米を自給したいと思っていたところ田んぼを紹介していただくことができたため、この家を選びました。

 

 

産地や原材料偽装問題が多発している今、

「無農薬」と記載されているものは本当に無農薬なのか?

「安全」と言い切るために自給自足を始めた!

 

実践している自然農について教えてください。

 

 現在、田2ヵ所、畑1ヵ所で実践しています。田①では水を張ったまま昔ながらの農法、田②は私の目指す自然農で稲を育てています。もちろん田畑どちらも無農薬、無肥料栽培。自然農では、土本来の力を育て、引き出すことで作物を育てます。草も虫も敵とせず、共生できるよう必要最低限しか取り除きません。土は本来、小動物や微生物が生息し、その死骸や糞をそれらが分解することで柔らかく作物を育てるために最適な状態になります。それを今の農法では耕すことで破壊しているため悪循環になっているそうです。ですから、私の田畑は一切耕さず苗を植える際も最低限しか掘りません。田では、雑草も虫の住処として確保してあげることで稲への害を防ぐため、わざと一列置きに残して順番に草取りしています。田畑を受け継いでまだ二年目ですが、自然農に転換したことで土や草が柔らかく変化していることが実感でき励みになっています。まだ作物は不作だったり少量だったりしますが、主食の米は十分自給できています。

田舎暮らしを希望される方にアドバイスをお願いします。

念願の薪ストーブを設置!

のんびり薪割りをしたり、

習い始めた ジャンベ(楽器)を演奏する。


 

 都会に比べれば田舎は不便ですし娯楽も少ないですが、それをマイナスに感じるような移住は楽しむことができません。私は自給自足という目的があって田舎に移住しました。自然農で自給自足を目指す生活は大変に思われますが、私は心から楽しんでいます。雪下ろしも、かんじきを履いて玄関から県道までの道を歩くことも、運動不足の解消!念願の薪炊きのお風呂は、お湯が柔らかくて冷めづらいので、冬は特に最高ですね。
 ご近所さんとのお付き合いも楽しみのひとつ。田畑へ向かう道中、ご近所の方と目が合うとよくお茶に誘っていただきます。「困ったなぁ」「目が合ったらお茶飲まないとダメよ!」と冗談を言い合いながら、楽しくお付き合いさせていただいています。

 板倉は移住者も多く寺野の自然と暮らそうサポートセンターでは地元の方と一緒にイベント開催もしているので、たくさん参加したいですね。皆さんも何か目的を持って、不便ささえも楽しめる移住先を見つけてください。

▼バックナンバー
第1回「H様ご夫婦」(2011年春) 第2回「N様」(2011年秋)
第3回「T様ご家族」(2011年冬) 第4回「N様」(2012年春)
第5回「S様ご夫婦」(2012年夏) 第6回「S様ご家族」(2012年秋)
第7回「S様ご夫婦」(2012年冬) 第8回「I様ご夫婦」(2013年春)
第9回「K様ご夫婦」(2013年夏) 第10回「K様ご夫婦」(2013年秋)
第11回「K様」(2013年冬) 第12回「H様ご夫婦」(2014年春)
第13回「S様」(2014年夏) 第14回「T様ご家族」(2014年秋)
第15回「M様」(2014年冬) 第16回「N様」(2015年春)
第17回「W様ご家族」(2015年夏) 第18回「K様」(2015年秋)
第19回「I様ご夫婦」(2015年冬) 第20回「N様ご夫婦」(2016年春)
第21回「M様」(2016年夏) 第22回「O様」(2016年秋)