東京都から、新潟県十日町市へ。
お一人で暮らしています。

　ガーデニングや山登りが好きな友人が十日町市で行われている「大地の芸術祭」に誘ってくれて、十日町市を訪れたことがきっかけでした。50歳になった頃から漠然と田舎暮らしに憧れはありましたが、十日町市で見た景色で決断しましたね。すぐにインターネットで調べて、十日町市の物件を多く扱っていたマイプランに案内してもらいました。
　その年の冬には物件を決めて、仕事も早期退職し、4月から田舎暮らしを開始。引越す2日前くらいから、少し不安な気持ちはあったものの、こちらに来たらすぐ吹き飛びましたね。

　移住してすぐにゲートボールに誘われたので、軽い気持ちで参加してみたらすごくおもしろくて。今では時間が空いたら練習に行くほど。集落のゲートボール協会の会長や指導員をしたり、ゲートボール仲間から紹介してもらって仕事も始めました。運転免許がないので、職場まで1時間ほどかけて歩いていくことも多いんですが、知り合いが通ると乗せて行ってくれたり、冬場も雪が降る中長靴で歩いたり、「田舎暮らししてるなぁ」って感じながら生活してる。
　それから、来た頃はネット環境が整ってなくて心配だったのに、今じゃ光さえ入れられるのに「入れなくてもいいや」って。自分でも変化に笑っちゃうんだけど。
　都内にいた頃も充分楽しんでましたけど、新潟に来てからは常にリラックスしていられる。都会での生活は無意識にストレスがあったのかな、と今は思いますね。今では、「やりたい」とか「やってみよう」とか、自発的に思えないことはやらない。近々陶芸もやってみたいなぁ、と思いながらいつやるのか、本当にやるのかは未定。それくらいでいいと思ってます。本当は何か目的とか目標があった方がいいのかもしれないけどね。
　それから現役の頃の職業柄、不動産屋をあまり信用していなかったんだけど、今実際住んでみるとマイプランが言った通りだったな、と思うことがよくありますよ。雪国での生活については全然知識がなかったですし。もちろん雪は降るし、除雪も必要なんだけど、私の希望に合わせた上で、できる限り雪管理も大変じゃない物件を紹介してもらったんだなってね。移住して3年経ちますが、担当さんは今でもちょこちょこ顔を出してくれますし、そういうことも嬉しいですよね。

　地元の方とベッタリのお付き合いになることを少し心配してました。でも、そんな心配はいらなかったですね。仲良しの地元の方はもちろんいるけれど、家を行き来するのも、そんなにしょっちゅうではないし丁度良い距離感。
　雪国での生活も、楽しめてますし。雪下ろしも初めは、道行くご近所さんに「下手だね」ってからかわれていたけど、それもまた楽しいでしょ。
　一晩で1ｍも積もったときなんて、玄関出たら雪のプールですよ。泳ぐように雪を掻き分けて出るんだから。階段を作ってみたり、楽しめる範囲で頑張ってますね。

　自分はただただ「田舎でのんびり暮らしたい」という思いだけで田舎に来ましたけど、これが逆に良かったと思っています。せっかく来た田舎ですし、この年で何かに縛られるようなことは嫌だったんですね。その時その時で、興味を持つことも違いますから。だから、始める前からあんまり考えすぎなくてもいいんじゃないかな。やりたいことや、目標が元からあるなら尚良しかもしれないけれど、「田舎に行きたい！」と強く思ったときが本当の始め時なんだと思いますよ。初めてのことはなんでも多少の不安はつきものですから。
　移住した先では、皆がそうするように「母ちゃん、父ちゃん」と呼んで距離を縮めたり、相手から「あげる」と言われたものは遠慮しないで喜んで頂くことを心掛けました。一見、図々しいようで気が引けるかもしれませんが、これで私は地元の方に溶け込めたと思っています。