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- 【リフォーム実例】第12回「白アリ駆除」
【白アリってどんな虫?】 |
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白アリとは、主に植物遺体を食べる社会性昆虫です。熱帯から亜寒帯まで、陸上のほとんどの地域に分布しますが、熱帯に種数が多いとされています。いわゆる蟻塚は、たいていは白アリによって作られています。 木造家屋などに住みつき木材を食い荒らす害虫として忌み嫌われていますが、自然界においてはセルロースの分解に携わる重要な働きを持っています。しかし、対象に好き嫌いがあり効率が悪く、自然界の全セルロース分解に占める割合は、1%にも満たないのが実際となっているようです。 日本本土に分布する種では、ヤマトシロアリとイエシロアリの2種が普通とされています。ヤマトシロアリは、枯れ木の中に巣穴を作って生活しています。巣穴は、網目状になった孔の連続からなり、シロアリはその周辺を食べながら巣を広げます。場合によっては、表面に木くずを積み重ねたトンネルを造ってその中に移動します。よって、広い面積を食べることは少ないようです。 一方、イエシロアリは地下に穴を掘り、木くずや土で固められた大きな巣を作り、この中に女王がいます。この巣を中心にしてトンネルを掘り、あちこちを食うので木造家屋などでは大きな被害が出てしまいます。根絶は難しいですが、巣を発見・摘出することによって被害の進行をある程度止めることができます。 |
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【白アリの発見方法】 |
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・地中から蟻道を作って建物へ侵入してくることが多いため、建物の基礎や束石、土台などに蟻道がついていないかこまめに確認する ・風や光を嫌い、適当な湿度を好むため、木材の割れ目や継ぎ目に排出物や土砂(蟻土)を詰めたり、盛り上げる ・白アリは、木材の柔らかい早材を食べ、硬い晩材を食べ残すという特徴があるため、食痕を探す ・被害が進んだ木材はハンマーで叩くと空洞音がしたり、ドライバーでほじくると簡単に穴があくため、こまめに確認する ・被害の進んだ建物では柱が下がったり、棟や軒の稜線が波打ったり、襖や雨戸などの立てつけが悪くなるため、建物の異常が出ていないか、こまめに確認する ※その他、床がフワフワと浮いたようになっていないか、ギシギシ軋んでいないか、水漏れがある若しくはあった・床下の湿気が多い等の異常が見られる場合も危険 ・住まいやその近辺から羽アリが群飛しないか注意する |
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【白アリ駆除を業者に依頼する】 |
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1.お問い合わせ 希望する業者に問い合わせ、状況説明や現地調査の依頼をします。 2.現地調査 業者が現地まで調査に来ます。床を剥いで室内確認・屋外確認を行います。 3.見積書の提出・内容説明 現地調査の結果、見積書が届きます。内容の確認を良くしてください。 ここまでは、無料の業者がほとんどです。 4.駆除 見積書を確認した上で依頼すると、いよいよ駆除です。 5.アフターサービス 業者により異なりますが、毎年点検や5年保証等のアフターサービスが行われるところもあります。
■注意■ 白アリ駆除の業者にも、悪徳業者の被害が多く報告されています。しつこい訪問営業や、高額な見積もりには気をつけてください。 駆除の相場は、6,000~9,000円とされています。高すぎるものはもちろん、安すぎる見積もりは手抜き工事の可能性もありますから、こちらも注意が必要です。 |
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【白アリ駆除をDIY?】 |
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床下に潜るため、汚れてもいい長袖・長ズボン・運動靴などで行いましょう。さらに、安全確保のため、防毒マスク・防護メガネ・防護頭巾・手袋も着用してください。 準備が出来たら、床下の木部(土台・根太・束など)に白アリ駆除用木部乳剤を塗布・散布します。この際に、お風呂場周辺、トイレ周辺、キッチン周辺、玄関周辺は重点的に施工しましょう。被害状況によっては、土台や束に穿孔し、柱内部に薬剤を注入しましょう。蟻道が見つかった場合は、その周辺の配置を思い出して白アリがどのように移動しているか想像してみてください。蟻道からその周辺にある要チェックポイント(風呂場・トイレ・キッチン・玄関)に向かっている場合があります。 その後、床下の土部分、基礎、束石、配管等に土壌処理材の乳剤を散布します。薬剤散布する際は、基礎の際、束周り、白アリ被害箇所、蟻道周辺などには少し土を掘り、薬剤が溜まるように処理すると、より効果的です。 |
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